PEOPLE1

物事の本質と、
人の想いを見極める。

社会イノベーション研究事業本部
福祉・医療・労働政策研究部 主任研究員
2013年度 中途入社 T.M

PROFILE
前職では、リサーチャーとして民間企業に勤務。数年で古株になっていく環境の中で、「自分よりも深い知見と経験を持った方からもっと学びを得たい」と思い、JMARへの転職を決意した。様々な世界で活躍する人たちから、何十年も研鑽を積まないと分からない知見に触れられること、自分の人生だけでは気づけなかったであろう考え方や人の思いに触れられることが、この業界の面白みと感じている。

現在の仕事内容

現在は、高齢者福祉分野を中心に、官公庁や地方公共団体の調査研究事業、検討会運営業務を担当しています。ここ数年は、市町村等の介護保険事業の評価制度などにも関わっています。
この仕事は、クライアントはもちろんのこと、関係する有識者の先生方、パートナー会社、プロジェクトメンバー、アシスタント職の皆さんと信頼関係を構築することが非常に重要です。案件の多くは、期間が半年から2年とやや長めです。そのような中で、どのようにクライアントと関係性を築き、さらに、プロジェクトメンバーとよりよい案を考え、品質向上に努めるか。プライベートとのバランスも含めて、モチベーションを維持しながら業務を行っています。

やりがいの一つは、普段はなかなかお会いできない方からお話を聞けることです。例えば、介護福祉の法整備に携わった高名な有識者の方からお話を伺うこともあります。非常に深い知見を持った方々ですので、伺った話を即座に業務に活かせないこともあります。しばらく経ってから、仰っていた言葉の意味がスッと分かり、その後の業務検討につながることがあり、まるで伏線が回収されたような驚きがあります。
このように自分の知見がぐっと広がる方々と出会えるのも魅力の一つです。そして、有識者の方々とのお話をクライアントが政策に反映しやすいように調節し、落とし所を探るのも私たちの役割であり、うまくまとまったときなどには安堵します。

現在も活きている学生時代の経験の一つとして、新聞サークルでの経験が挙げられます。卒業生の方や先輩たち、そして学生課の方々へのインタビューをまとめて、編集長に提出するプロセスは、今の仕事の形にも近いものがあります。一方で、学生時代と現在の仕事には大きな違いもあります。私たちの仕事には何らかの成果物が求められます。「すでに顕在化している課題」でも、「潜在的な課題」でも、ただその課題を問題提起するだけでなく、どうやって解決に導いていくのか、ヒントを探っていくことがこの仕事では大事だと考えています。

印象に残っている仕事

コロナ禍前に携わった「看取り」の事例集の制作が、とても印象深く、心に残っています。私たちが日頃扱うことが多いのは数値化できるものです。一方で、「人は最期の時間をどう過ごすのか」という問いは、およそ数値化できるものではありません。本人や家族の思いや願いを形にできるよう、医療・ケアの専門職の方々がどのように最善を尽くそうとしているのか、仕事のプロセスをまとめる際には、最期の時間を迷いながら取り組む医療・ケアの専門職の方々、また、一般の方々の背中を押せるものであってほしいという思いを込めました。今でも事例集についてお問い合わせをいただくこともありますし、その際のクライアントだった方とご連絡をとる際にはこの仕事の話が出るなど、良い経験をさせていただきました。

ある1日のスケジュール

10:30

出社

フレックスタイムのため所用を片付けてからの出勤も可能

11:00

資料作成

3週間後に開催する委員会の資料準備アシスタントの方に作成補助を依頼

14:00

ヒアリング調査(オンライン)

会社の個室ブースで、有識者の先生と一緒に市町村担当者にヒアリング

15:30

引き続き、オンラインミーティング

ヒアリング後、有識者の先生にお願いして別件の委員会についても相談

16:00

資料作成

ヒアリングの要旨や委員会資料を作成

19:00

翌日の準備

20:00

退社

私の部署では、制度の潮目や計画改定に係る業務もあるため、いま何が課題なのか、何を論点として調査・研究を行うべきなのか、実現可能性も踏まえて常に問い続ける必要があります。自分自身のスキルアップも必要ですが、一人でできることには限りがあるため、様々な案件で多くの方々と関わり合えるような環境に身を置き続けたいと思っています。
また、あくまで第三者として、少し離れたところから課題の解決に携わる立場だからこそ、フラットな視点で物事に取り組める部分もあると考えています。その道のプロの貴重な知見、人の想いを取りこぼしてしまわないよう、これからも本質を見極める力を養っていければと思います。

公共部門はクライアントの仕様書を基に業務を組み立てることになりますが、何を論点として業務を組み立て、課題解決に近づける成果を見出す必要があるのか、実現可能性も踏まえて問い続けなければなりません。そのように、問題の枝葉だけでなく、根幹にある本質を見極めたいと思える方であれば、JMARにぴったりではないかと思います。また、公共系の課題を多く扱うシンクタンクである以上、学問的・職能的な視点だけでなく、一生活者としての視点もとても重要です。課題に真摯に向きあうことができる方をお待ちしています。