PEOPLE3

若手のリサーチャーから、
クライアントの戦友になった。

マネジメント&マーケティング研究事業本部
組織・人材戦略研究部 主任研究員
2013年度入社 T.K

PROFILE
大学院まで進学して公共法政策を研究。そこから進学か就職かで迷っていた矢先、インターンとして参加したシンクタンクで、リサーチャーの仕事と「波長が合う」ことを確信する。古いシンクタンクでありながらも、やりたいことを後押ししてくれるJMARの風土に魅力を感じている。

現在の仕事内容

企業内における、コンプライアンスとエンゲージメント(企業と従業員の関係性)の調査・分析・改善提案を行っています。基本的に、コンプライアンス等の調査は1年に1度の周期で行うため、「組織の健康診断」ともいえるかもしれません。そして、調査の結果をもとに行う追加分析は「精密検査」に近いものです。また、私が開発した「取引先調査」も行っています。これは、自社と取引のある企業に対して、自社の社員がよい関係性を構築できているかを調査するものです。下請け企業との関係改善や、委託先の企業の状況を把握しておくことでのリスクヘッジに繫がります。

調査に用いるアンケートは、それぞれのクライアント企業様に合わせたオーダーメイドです。体の寸法を測るように、企業が抱える課題、業種業界の性質、従業員様の意見を汲み取り、ゼロから設計します。数回のヒアリングでは、よい提案にはなりえず、またクライアント企業様との信頼関係も強いものにはなりません。そこから、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月とやりとりを重ねるなかで、関係性が構築され、戦友のような信頼関係が生まれてきます。そういった関係が年単位で続くことも少なくありません。いつしか、「JMARさん」ではなく「T.Kさん」と呼ばれるようになり、社員のように迎えていただけることが、私にとっての大きなやりがいとなっています。

大学院での修論研究として、温泉街付近での地熱発電の提言を行いました。温泉街に住む地元の方々の不満の声をフィールドワークによって拾い集め、最適なエリアに地熱発電の施設を建設すれば、原子力発電への依存度が少なくなるという提案です。研究・調査を進める中で気がついたのは、「地元の方の声は、学術書には書かれていない」ということです。そういった方々の意見を集めることは、現在の仕事の中で、現場の方々の不満の声をヒアリングして、改善策として提案することに通じていると感じます。

お客様とのエピソード

入社してから3、4年目の頃に、関西の大手企業様の案件を担当したことがあります。数千人以上もの社員を抱える企業で、人事部門の担当者様は部長クラスの非常にレベルの高い方でした。その方との最初のやりとりは、私を試験しているかのようで、自社に対する大きな自負心と私に対する不信感があらわれているようでした。それでも、事前に調べてきた情報と、自分なりの仮説を提示したところ、どうにか納得してもらえたようでした。それから、何度もやりとりを重ねるなかで、最適な提案をすることを心掛けながら、突発的なトラブルにも対応させていただきました。その甲斐あってか、最終的にはお食事に招待していただき、「正直なところ、こんな若い人がなんぼのもんやねんと思っていたけど、T.K君で、ほんまによかったよ」と言っていただきました。きちんと戦友になれたのだと認められたようで、非常に嬉しかったです。

ある1日のスケジュール

8:30

子供を保育園に送り届ける

9:30

出社

メールやTODOリストの確認

10:00

顧客訪問

調査に関する意見交換を実施

12:00

ランチ

同僚と一緒にご飯を楽しむ

13:00

社内ミ―ティング

社内PJTメンバーとWEB会議にて打ち合わせ

14:30

報告書作成

打ち合わせを踏まえて、報告書を作成

17:30

報告書をクライアントへ送付

社内スタッフによる精査を経て、作成した報告書をクライアントへ送付

19:00

翌日の情報整理とスタッフへの伝達

スケジュールアプリにて確認と入力翌日の伝達と確認を行い、業務を完了

時代に応じて、クライアント企業様が私たちに求めるものは変わっていきます。場合によっては、AIの発達により、私たちに依頼せずとも必要なデータが入手できる時代がやってくるかもしれません。そんな中でも、企業様の現場に応じたものを示し続けることが大切です。私が「取引先調査」を開発したことで、コンプライアンスを改善できる範囲が広がったように、これからも、クライアント様や世間の変化するニーズを、リサーチ・コンサルティングの領域からサポートし続けていきます。まだまだ私は若手です。新しいことを後押ししてくれるJMARの中で、より一層励んでいきたいと思います。

かつて、能率協会といえば誰もが知っているような団体でした。もしかすると、今の学生の方々にはそれほど馴染みがないのかもしれません。それこそ、大手外資系のシンクタンクと比較すると、知名度は低いでしょう。しかし、目立たないながらも、JMAグループは日本の産業会を支え続けてきた実績と信頼があります。その一方で、新しい挑戦を積極的に支えてくれる風土もあります。固い地盤の上で、自分のことを表現したいと思えるリサーチャーの方であれば、きっと気に入ってもらえるはずです。